ポラリス・ア・ラモード

インタビュー

小学校教師・マジシャン / 山本 和毅さん「諦めないで頑張ってみよう!と思ってもらうために、僕は諦めない」《後編》

haru

2019/02/08

インタビュー polaris for YOURSELF vol.5

小学校教師・マジシャン / 山本 和毅さん

「諦めないで頑張ってみよう!と思ってもらうために、僕は諦めない」

《後編》

自分の生きる上での指針やポリシー、「ポラリス(=北極星)」を持つ人たちのインタビュー

第5回は、小学校の先生で、トランプマジック中心のマジシャンでもある山本和毅 (かずき)さんをお呼びしました。

前編では、彼が先生 兼 マジシャンになった経緯を聞きました。インタビューしている私が一番興味津々。(笑)是非読んでください。

今回は、そんな山本さん(以降マジシャン名のKIDさん)のポラリスについてもお聞きしていきます

マジシャンってどんなおしごと?

haru: まだまだマジシャンについて聞き足りない(笑)マジシャンの仕事は実際にどういう仕事なのかということや、仕事の大変さを教えてください。

KID:  マジック=演劇なんですよ。僕らは不思議なことを見せる仕事でもあるし、パフォーマンスする仕事でもある

お客さんからしたら不思議なことを見せられる人というイメージだと思うんですけれど、僕らは当たり前ですけれども裏側ではものすごい練習しているんですよ。不思議なことを見せるための練習。ずっと一日中トランプを触っていたりとかフォークをこねこねいじくっていたりとか

言ったらアスリートとそんなに変わらないと思いますね。

大きい舞台とかグラウンドで実際に披露するまでのプロセスは、皆さん人前には見せませんが結構な練習はしてます。

haru: あと、どうやってお仕事が来るの。そしてフィーはどうやって決める?(←関心ありすぎw)

KID: 口コミはやっぱり大きいですね。価格に関しては、自分の中でしっかりと、自分はこのくらいの価値がありこのくらいの価格でお仕事をさせていただくと決めてしまうのも多いですね。その金額でしたらやらせていただきますと言う具合です。

KIDさんオリジナルのトランプ。カクテルの絵柄がお洒落。

《ゾーンに入る》こと。ボールが止まって見える

haru: (ロッテリアの副店長で)肩を壊したりもしたのに、マジックはずっと続けることができたんですよね。

どうしてそんなに続けることができたんですか。

KID: もともと、凝り性だったんだと思います。それとセロに会ったその時の印象がすごく強かったっていうのもあると思いますセロとの出逢いは前編で。

あと、ゾーンって分かりますか。自分がそういうゾーンに入れるということも大きいかな。アスリートとかはよくあるらしいんですけれども。

haru:  没入みたいな感じ。

KID: そうですそうです。僕、卓球もとても好きなんですね。ゾーンという言葉を知る前に一度、友達に相談したことがあったんです。

なんか物がすごく止まって見えるんだけど、どうしたらいいって。

その時の友達の反応としては、何言ってんのって感じでした(笑)ボールが止まって見えるんですよ。

haru:  動いてるはずのものが、静止して見えるんですね。

KID: もしくは超ゆっくり。スーパースローに見えるんですよ。止まってるし、スローだからボールを捉えるのは超簡単なんですよ。もっと速くてもいいなと思うぐらいでした(笑)

haru: (なんかこのひとすごいぞ) 

KID:  そんなことがたびたび起こって。

超集中・過集中についてもっときいてみた

KID: 人間って基本的には、ぼーっとしていると思うんですよ。その状態を僕の中では、みんな夢見てるよねっていう風に言います。なので、ちょっと目を覚ましてみてっていつも言うんですよね。

今、一秒一秒自分が何しているのかもっともっと、感じてみてくださいっていうんですよね。

今僕らの目の前にあるコーヒーには、泡が100ぐらいあるなっていうところに気づいたりとか。今この1秒で何かの匂いを感じたとか。

超集中、過集中って言うらしいんですが、そこまで集中すると何でもできるイメージになって、スポーツ選手とかも成功するらしいです。

haru: (まじかすごい)…ということは、KIDさんはその状態になろうと思えばなれる?

KID: はい。スイッチを入れたらそういう状態になります。ショーの時もそうですね。

ぼーっとしている自分に気づいて、あ。やばいって思った時はいつも、《1秒を感じる》ことによってすべてはうまくいくイメージに変わります

haru: (なんか、KIDさんがメンタリストのD氏に見えてきた笑。すごい。)それってマジシャンやアスリートだけでもなくて、一般の人達にもとっても役に立つ話だと思います。何かしたいと思った時にすごく活きることですよね。

KID:  はい。そうだと思います。僕は一秒一秒を自然に感じることのできる感覚を大事にしたいと思っています。

何気なく生きている日常も好きですが、ただそれをもっと突き詰めていったら1秒ずつ楽しむっていうことになると思うんですよ。

haru:   1秒なんですね。1分でもなくて。

KID: 1秒です。(決然と)

楽しい事ってあっという間に過ぎるって言うじゃないですか。

逆に、あんまり好きじゃないなと思うことは長く感じるって言う。でも、僕は楽しい時間が一瞬で過ぎるっていうのはもったいないなと思うんです。それはもったいなので、今自分が楽しんでいるんだという感覚を長く感じていたいなと思っていて。

haru: 一秒一秒をもっと感じて、楽しむ。いいな。

一秒もかからずに、ぱっと開いてくださり、この美しさ。

KIDさんのポラリス

haru: 今回、事前にポラリスって何か考えていて下さいとお願いしていたんですが、どういうものだと思いましたか。

KID: 諦めないこと、かな。実は、僕の手は実は女の子のように小さいんですよ。マジックの業界でも手が小さいで有名なんです。

でも僕は、手が小さいからできないマジックがあると絶対に思われたくない

マジックを始めてから気づいたんですが、他の方でも「手が小さいからできません。」とかそういうコメントを見ることがあるんですよね。もし手が小さいからできないことが多くなってしまうなら、手が小さい自分って一生無理なのかよって自問自答して、そんなのは絶対に嫌だと思いましたわがままなんですけど、一生無理っていう気持ちが嫌だったんで。

手が小さい自分がいろんなことができるようになったら色々覆せるんだと思いました。だから、普通なら諦めてしまうことにひたすら取り組みました。

haru:   それは自分のために

KID: 自分のためでもあるけど、周りのひとたちのためというのもとても大きいです

自分は手がめちゃくちゃ小さいですけれど、手が大きい人よりもできることいっぱいありますよ、 だから諦めんといてくださいって最近ではたくさんの方にお伝えしています。

haru:  なんでそうやって伝えたいと思うんですか。

KID: 自分の可能性をもっともっと広げて欲しいからです。

マジックをやる前の自分は、ほんとにできないことの方が多かったんですよ。こんなに何かができるようになったのは初めてだったので、自分にもできたなら、やっぱり周りの皆さんにもきっとできると思いました。

haru: (手をあわさせてもらう)あ、ほんとだ。ぱっと見もっと大きく見えるけど、合わせてみたら私とあまり変わらない!!(haruもかなり手が小さい。)

KID: そうなんですよ(笑)ステージでも手を合わせたりします。手を合わせる事が一つのパフォーマンスになっているんですよね。

haru: 私も手が小さいけど、マジックができるという事ですか…??(確認)

KID: まさにそう!!できますよ!!

自分も諦めないで頑張ってみよう。周りの皆さんにそう思っていただけるためにも

僕自身は絶対に諦めたくないなと思っています。

実は、僕はスライハンドと呼ばれる「技術のみ」で起こすマジックをしています。仕掛けがあるものは使わない。

技術のみでできることに、チャレンジしていきたいんです。

KIDさんがこれからやりたいこと

haru:  KIDさんはこれからどんなことをやっていきたいですか。

KID:  教育の世界にマジックを取り入れていきたいです。僕は以前、支援学級の担任もしていて自閉症やADHD のお子さん達が30人くらい来ていました。教室に入れないとかどこかしら心に不安があった子どもたちも多かったです。

ある教室に入れない子に、マジックを教えてあげたことがあったんです。楽しく練習してるなと思ってたら

「先生〜!ちょっと教室に行ってみんなに見せてきてもいい?」ってその一言を言ってくれて。

え!うそ!って思ったけど、「じゃあ行ってきてね」って言ってその子は教室へ駆け出しました。

実際に僕も見に行ったんですが、普段は教室に入れない子が入っていって

手は震えていたけど、人前でちゃんとマジックを披露できていて。

簡単なマジックだったんですけど、人前でやろうとする勇気と、実際に出来たっていうことがうれしくて僕は号泣しました

haru: ほんとにいい話です。(インタビューではいつも涙腺が…)

一度は諦めようとも思った教育という世界にもう一度戻ってきて、そしてマジックと見事にドッキングさせるということができたんですね。すごいですよ。

KID: ほんとにマジックは、改めてめちゃくちゃ可能性があるって思ってます。子どもたちに教えてみても

一種類のマジックしか覚えてなかったとしても、先生みて〜!とか誰々くん見て〜!とか

もう通用せんやろと思うぐらいの回数でも(笑)何度も何度も、楽しそうにひたすらにやっています

haru: マジックの可能性かあ。

KID:  18の時にマジックを知った僕は人生が変わったので、子ども達に関してはもっともっと、影響があると思いますね。

これからの野望は?と聞いたら返ってきた答えが素敵だった

haru: マジシャンとしてこうやっていきたいという野望とかあるんですか。

KID:マジシャン先生に教えてもらったんだよ!」って思ってくれる子どもたちがどんどん増えたらいいなと思っています。

今の教え子たちが大きくなった時、僕がテレビとかに出てて、「あの時教えてもらった先生、今テレビに出てる!」という感動があったり。たあいもない、何気ない話で僕の話が出てきたら嬉しいなと思っています。

haru: それ、最高の野望ですね…! 

インタビュー後記

マジックには可能性がある。そう力説してくれたマジシャン先生、KIDさん。

マジックと出会い、できなかったことができるようになっていった喜びを感じたからこ

喜びを周りのひとや、生徒さんたちにも伝えていきたいんだろうなと思いました。

KIDさんが諦めないのは、諦めないひとを増やしたいから。KIDさんに出逢ったひとや、これから出逢うひとは、本当にラッキーです。

インタビューの最後に、マジックをいくつか披露してもらいました。なんというか、とても心に残るマジックでした。

ひとつひとつのマジックが、鮮やかでめちゃくちゃ格好いいので、ぜひ見てほしいです。

KIDさんのカードさばきはこちらから❤︎(youtube)

KIDさんマジシャンのページはこちらから

編集長 haru