ポラリス・ア・ラモード

コラム

Time will tell. 〜時が経てばわかる。

haru

2019/04/05

桜も満開ですね。みなさん、お元気ですか? 

はじめて、コラムのタイトルを英語のフレーズ(正式には、Only time will tell.) にしてみました。

今日、宇多田ヒカルさんの同題の曲を聴いていて、じんわりと本当にそうだなあと思ったことがあったので

そのことを書いてみたいと思います。

「早く・速くの呪縛」を解いてくれる、まほうのことば。

Time will tell. を和訳すると、「時が経てばわかるよ。」というところでしょうか。

この言葉って、本当にすばらしい言葉だなと思います。

現代を生きる私たちの心の片隅にそっと置いておきたい言葉。

 

現代はせわしなくて、いつも答えはすぐに求められます。改善や、解決も即座に。

エンターキーを押したらすべてが解決するんだったらいいですが

現実はそうはいきません。

ましてや心や、人間関係のこととなると何かのわだかまりが溶けるまで

5年も10年も、もっと長くかかることだってあります。

 

だけど、クリックひとつ押せば明日欲しいものが自宅に届く世界に生きている私たちは

答えや解決を(意識していても無意識であっても)すぐに求めてしまいます。

そんな自分に気づいた時には、ちょっと立ち止まって考えてみてほしいです。

 

本当にそんなにすぐに答えを出さないといけない?

 

本当にそんなにすぐに成果や結果を出さないといけない?

 

もしかしたら、早く解決しなきゃ、早く問題を解消しなきゃと思うその心こそが

 

自分をしめつけて身動きを取れなくしているかもしれません。

 

早く・速くの呪縛を解いてくれる、まほうのことば

 

それこそが Time will tell. (時が経てばわかるよ。) なんだと思います。

「待つ」ことの効用〜フランスパンとスープの話〜

ちょっとイメージしてみてください。

ここに、フランスパンがあります。

フランスパンは、買ってから2日くらい経って固くなってしまいました。

そんな時、あなたならどうしますか?

もしかしたら、無理やりでも食べるためにかじって、口の中を痛めちゃうかもしれません。

もう食べられないや。って捨ててしまうかもしれません。

でも、例えばこんなのはどうでしょう。

温かいコーンスープを作って、その中にフランスパンをひたして、ゆっくり待ってみる。

そしたら、固かったフランスパンが柔らかくなって

コーンスープの味わいが染み込んで

とっても美味しくなるでしょう。

固くなってしまった自分の心や、なかなか解決できない問題を

無理やりすぐに解決しようとするのは

まるで固くなってしまったフランスパンを

なんとか囓ろうとしている状態に近いかもしれません。

でも、もしかしたら温かいスープにつけて

しばらく待っていたら、その問題はやわらかくなって

ゆっくりとでも解決していくかもしれません。

急ぐことはないから、問題をできるだけ小さくちぎって

温かいスープにつけてしまいましょう。

そして、待つ。きっと、時がゆっくりと物事をやわらかくして、教えてくれる。時がゆっくりと解決してくれる。

もし、どんな問題でもいつでもすぐに解決したくなっちゃう人や

待つことや一旦置いておくことが苦手な人はどうぞ、

フランスパンを温かいスープにつけておくイメージを持って

美味しく食べられるまで待っておこう。という気持ちを持っていただけたらなと思っています。

やわらかくおいしくなってから、めしあがれ。

時間が経って、わかること。

時間が経ってわかること、って世の中にたくさんあると思うんです。

片付けなんて苦手だと思ってたけど、実は案外嫌いでなくて意外とらくにできるんだなと気づいたり

小説のある一節の意味が、何年も経ってからふわりとわかったりすることもあるかもしれません。

親になってはじめて、自分も親にこんな風に想ってもらっていたのかもしれないなと感じられるようになったり、

会えなくなった人の存在を心の中で思うたびに、その人の存在がゆっくりと大きくなっていくことも。

苦手だと思っていた人も、実は自分と似たような辛さを抱えていたということがわかるかもしれません。

ゆっくり、わかること。

時間が経って、わかること。

いっぱいありますよ。

春は咲き誇る桜を眺めて

夏は縁側で夕涼み

秋はすすきがさらさらしている小道を歩いて

冬の日のココアで体をあたためながら

四季を過ごして、あなたが抱えてしまっているその「なにか」が

ゆっくり溶けていくことを待ちましょう。

けっしてわるくないと思いますよ、四季と一緒に待ってみること。

編集長 haru