ポラリス・ア・ラモード

インタビュー

家美人コンサルタント・僧侶 / 大岩 エディさん 「人生のすべては“体験”」《後編》

haru

2020/02/09

インタビュー polaris for YOURSELF vol.10

家美人コンサルタント・僧侶 / 大岩 エディさん

「人生のすべては“体験”」《後編》

自分の生きる上での指針やポリシー、「ポラリス(=北極星)」を持つ人たちのインタビュー。

今回は、家美人コンサルタントで僧侶の大岩エディさんをお呼びしました。

前編では、一見壮絶とも思えるこれまでの人生を明るく笑いを交えてお話していただきました。大変な話なはずなのに、お聞きしている私も思わず笑ってしまうくらい、楽しくインタビューをさせてもらいました。

後編では、ライフオーガナイザー検定を受けたあとのお話をお聞きしていきます!

片付けって、すごい!と開眼

—–ライフオーガナイザー検定という、お片づけだけではなく思考の整理もサポートするプロになるための資格にチャレンジしたんですよね。昔からお片づけは好きだったんですか?

そうですね、昔から整理をするのは得意でした物事をカテゴライズするのが得意だったんです。

話も人も情報もカテゴライズ。分類して要らない情報を捨てていく、というのが得意だったんですよね。

その後は資格もきっかけになって、片付けをサポートする仕事を始めたくて派遣の仕事も辞めました。30代の後半の頃ですね。

—–前編では、「未知の世界が怖かった」というお話もしていただきましたが、お片づけの仕事は始められたんですね!!これはやってみよう!と思えたのはどうしてだったんでしょう。

ライフオーガナイザー検定の1級を取る時の課題で、家でもどこでもいいので一度片付けて提出するというものがありました。

私は自宅を片付けたんですが、かなりの捨て具合でいきましたね!でも、その後驚くことがあって。

うつ病だった夫が片付け後、急に就職活動を始めて

1ヶ月後には就職しちゃったんですよ!

混沌としていたものが整理されて、気分が一新されたのかもしれませんね。片付けると、家の中に変化が起こるでしょう。見た目に起こる変化って分かりやすくて、片付けてる自分も気持ちがいいし、周りにも良い影響がありました。

そういう体験を経て「片付けってすごいかも、これをやってみたい!」と思えたんです。

その後片付けの仕事を始めていくんですが、最初に雑誌で読んだ「思考の整理」というのがずっと心の中にあって、

片付けだけだと足りないなと思って、大人のための考える道具(=フレームワーク)を学ぶTOCというものをやってみたりディベートをやってみたりしました。

「頭の中を整理する」というテーマを持っていろいろやっていくと、スピリチュアルの世界とか、色々な世界に触れるようになりましたね。新しい人にもたくさん出会うようになって、昔はとても人見知りだったんですが、それもいつの間にかなくなっていました。むしろ新しい人に出会うのが楽しくなって、落語を始めたり、お坊さんになったりもしましたね。

6代目文枝さんにつけていただいた「百合虎」の高座名で落語を少々

—–ん!?今、落語・お坊さんがさらっと出てきました(笑)ここはしっかり聞きたい。まず落語との出合いはどんな感じだったんですか?

あ、これ結構単純な話です。片付けの講師をする上で人前に立つことが多くなったんですが、ベースが人見知りの私は結構緊張しちゃってたんですよね。ある程度は覚えたことを話さないといけないというのがあったので、その訓練をしようと思って落語を習っただけです。

—–落語ってそもそもそんなにカジュアルに習えるんだ(笑)話し方講座とかじゃなくて、落語を習おうとしたのが面白い。実際やってみてどうでした?

落語をやってみたら、普段使っていない脳みそがいろいろあるんだっていうことがよくわかりました。脳のこの部分を活性化したら覚えやすいとか感じることができました。覚える脳」みたいな。(笑)

扇屋 百合虎(おうぎや ゆりこ)という高座名で落語を学んで大阪天満宮の繁昌亭で落語をさせてもらっていました。

この名前、実は6代目桂文枝さんがつけてくださったんですよ。

私は文枝さんとは直接はお会いしたことはないんですが、文枝さんは一人一人顔写真から雰囲気を見てつけてくださるんです。まあ、私は勝手に「ゆりこ」じゃなく「ゆりとら」って言ってましたけど(笑)

—–百合という美しい感じと、虎という強い感じがとてもエディさんっぽいと思います。その後落語はどのくらい続けたんですか?

結果的には1年くらいですね。落語の世界は面白かったけど、苦しかった。覚えるのがかなり辛い。師匠は日本で初めて女性で落語家になった人だったんですが、言うべきことはぴしゃっと伝えてくれる厳しい師匠でした。

私は関西出身じゃないので、関西弁がとても難しくてイントネーションはよく注意されてましたね。うーん、こりゃ自分には向いてねーかも。と思いましたね(笑)

1年取り組んでみて、「覚えて人前で話す」という度胸もついたのでもういいか、と思って落語は一区切りつけました。

そしてお坊さんに

—–あ、あとお坊さんになったきっかけは?

これ、結構ちっちゃい時に戻っていいですか? 3歳の時にお坊さんが滝行をしているのをテレビで観てすごく憧れて、近くの小さい川で3歳の時に滝行をしたんです。

—–え!?

(笑)当時、アニメの一休さんもやっていて、お坊さんの生活にすっごく憧れたんです。

何もないすっきりとしたところで、しがらみがないのを感じたのかもしれない。

—–それって今の「片付け」「整理」にも通じるところ、あるかもですね。それにしても、3歳で滝行とは。

当時、周りの子にいじめられたりとかしんどいこともあったので、そこから逃げたいとかクリアにしたいっていうこともあったのかもしれないです。小学時代はもちろんお坊さんになりたいと親にも公言してたんですが、高校時代、周りがやってた受験勉強もしてなかった頃、おば「私お坊さんになりたいんだけどどうしたらいい」と相談までしたことありましたね。その時はやんわり止められました(笑)

30代後半、夫のこともあってぐちゃぐちゃとなっていた時に、過渡期だったんだろうけれどもすごく「滝行がしたい」と思って。混沌としているからすっきりとさせたかったんだと思います。

そんな時、ある友達が「滝行に行ってきました!」と Facebook に投稿したんです!

その投稿を見た瞬間に、「私も連れて行って!」とその友達に話して滝行しました。

それからですね、3ヶ月に1回ぐらいはお寺に通うようになったのは。

当時出会った師匠については、その時は宗教をうがって見ていたので、話が本当なのかな?と思ってましたね。このあと壺買わされるんかなとか、、、

酒もめっちゃ飲むし(笑)

—–このぼうず信用できるか?!みたいなね(笑)

そうそう(笑)そしたら実際すごい人で、お寺もやってるけど、在家出身の修行僧で実業家でした。

ちゃん地に足がついた商売をしていて、仏教の世界にも精通している先生で、数回お話を聞くようになった頃すごい人のところに来ているんだとある日気がついたんです。お寺に通っているうちに作法も習いたいと思って、ちゃんとお坊さんになろうと思いました。

—–エディさんは、現在もお坊さんってことですよね。お坊さんって、何をするんですか。

はい。お坊さんです。修験道のお坊さん。修行を積めば結婚式とかお葬式とかもできます。普段していることとしては、修験道の僧侶だから鍛錬ですね。自分の本来の能力を引き出すための修行です。我顕現(しんがけんげん)っていうんですけれど 、1ヶ月に1回法要があり、滝行したりとか、護摩を炊くお手伝いをしたりしていますね。

もっともプリミティブな感覚、「体の感覚」で物事を体験する

自分がお坊さんになってみて宗教にも触れることができました。仏教は輪廻転生「人は生まれ変わる」というのがベースにあります。そこで興味を持って前世療法の本を読んでいたら、“人生のすべては体験である”という言葉に出合ったんです。

旦那の鬱とか、自分の父親のこととか色々あったけど、嫌なことも含めて全てあれは「体験」だったんだなって思えました。

—–いったんご自身のこれまでの人生で起きた出来事を、ものすごく客観視したんですね。

そうそう!まさにそんな感じ。その出来事そのものに自分の感情を入れないというか、外から見ると言うか。

自分はただ在って、出来事を体験して、それを外から見ているという感じです。

私は、本を読んだ時に体に電気が走るような経験をすることがあるんです。2〜3年に1回ぐらいですね。

力が指先まで漲るような、まさにこれだと思えるような。その本との出合いはまさにそんな感じでした。

—–今は、人生で起こる出来事、全て「体験」だと思えるのですね。

思える。今は辛いことがあっても瞬間的にこれは体験だなと思えます。というかそもそも、出来事に対してあまり辛いとも思わなくなりましたね。これまで辛いと思っていたことも、今から振り返れば、「辛くなかった」に変わっているというか、「ただの体験」だったと思える。過去の見え方が変わったんですね。

なにげにharuのお気に入りの一枚。

—–経験と体験はどう違いますか。体験って普段の会話ではあまり使わない言葉のような気がしたので。

「経験」はただ過ごすだけ、という軽い感じがするけれど、体験は体の感覚として感じると言うか。何かを頭で考えないで、体の感覚で決めると言う感じでしょうか。体に感じる冷たさとか、あったかさとかで、物事を決めていくって感じです。このインタビューを受けるかどうかも体感で決めました。

「花人間」の写真に挑戦。物心ついた頃から【美しい】ということに拒否感があったというエディさん。だからこそあえてチャレンジしてみたとのこと。これも体験でしたね、とお話されていました。

—–体の感覚って、すごく原始的な部分で、本来はいろんな人がもともと持ってたものだと思うのですが、私も含めいろんな人がその体の感覚を使えていない気がします。頭でっかちになって自分を苦しめている人が多いかもしれないですね。

うんうん、そうかもしれませんね。私はまさに、そうした「体の感覚」を持って体験していくということをたくさんの人にできるようになってもらえるような仕事をしていきたいと思っています。

目は口ほどに物を言うじゃないけど、話してても目とか鼻とか仕草とか、反応は体の方に出ているんですよね。

何か物事を見たり聞いたりした時に、頭じゃなくて体のどの部分でそれを感じるのかということについて、例えば出来事を色や形で感じたりとか、私が訓練でできるようになったことを少しずつ伝えていきたいですね。

分からないことは、体に聞けばいい

—–エディさんがこれからやりたいことはありますか。

私、実は具体的な「夢」がないんですよ。ただ、言えることがあるとすれば、やりたいことがあるけどできない人や、やりたいことがわからなくなっちゃっている人っていると思うのですが、そういう人たちに、本当に自分が感じたり思っていることを知ってもらいたいという気持ちがあります。

—–すごく共感します。自分のやりたいことや思っていることがわからないという人も多いと思いますし、口で言っていることと思っていることが一致していない人も多いかもしれないですね。私もそういう時あるな…

口ではやりたいと言ってるんだけど、実は違うんだよねということも多い。

自分の本当に思っていることが分からなければ、本当は体に聞けばわかるんじゃないかなと思っています。

自分の問題点とかも分からない人もいると思います。何を解決していいかが分からないというか。そこを明らかにしていくための手段の一つとして片付けがあるのではないかと思っているんです。思考の整理と物の整理をやっていって、とことん整理していくことでクリアになっていく。

自分の過去から情報を得て、未来にどう繋がるのかを考えること」。それが片付けだと思っています。

家美人コンサルタントとしてはご本人の生き方の本質を見極めるセッションを行っていて

「どんな人生にしたいのか」・「どんな人間でありたいのか」など本質的な話をしていきながら、

個人個人に合った片付けの方法の分析とレクチャー、進捗に応じたサポートをしています。

一番しんどかった時の自分へ、かけてあげたい言葉

—–一番しんどかった時の自分を思い浮かべて、今何か言ってあげたいことはありますか。

なんでもできるよと言ってあげたい。小学校の時、いじめられていた時の自分にかけてあげたい言葉ですね。

—–実際に、落語行ったりとかお坊さんやったりとか確かになんでもできましたもんね。でも、「できないよー」と言ってきたら?

今はできないよねと言います(笑)…でも、いずれは出来るようになるから大丈夫だよと言ってあげたいです。安心してねと。

—–こんがらがってしんどくなってしまっている人たちも、いずれは大丈夫になるよっていうことなんですね。

そうですね。こんがらがっているところから脱却していくためには、自分の思いをできるだけ詳しく言葉にするっていうことも良いと思います。例えば、同じ「楽しみにしている」でも、背景が違うと全然違う感情なんですよね。

例えば、今日haruちゃんが私に会うのを楽しみにしてくれていたということと、私がharuちゃんに会うのが楽しみと思っているのは、多分背景が違いますよね。そういうところも詳しく言葉にできることが大切だと思っています。

—–自分が今、何をどんなふうに思っているかを自分で分かって、アウトプットできるということをやっていけばちょっとずつわかっていくのかもしれないですね。

このインタビューでも質問してもらって、あーなるほどなあと思うようなこともたくさんありました。私は普段わりとアウトプットしている方だとは思うんですが、それでも。自分で話した言葉が自分の耳から入って、あーそうなんだと新鮮に感じることができたりとか。そういうことが、また新しい力になることもあると思うんです。

編集後記

イベントで知り合ってから、どんな人なんだろう、どういう人生を辿ってきた方なんだろうと気になっていたエディさんのお話をじっくり聞けて、とても嬉しかったです。

「人生で起きる出来事は、全て体験」

2020年。また今年もいろんな出来事がやってくると思います。その全てを頭で考えすぎるのではなく

体や五感で感じていきたいですね!

エディさん、これからもよろしくお願いします。

エディさんのアメブロ、「“片づけ”で人生がグングン加速する ムリせず動けて、夢が実現する家美人メソッド」こちらから♪

編集長haru