自分自身の「外交官」を務める
2021/01/19
仕事・キャリアの記事もひさしぶりに書きますね。「サーフィン」のことばかりも書いていられないので(笑)(キャリアサーフィン論はこちらから)またひとつ、別なたとえをご紹介したいと思います。
良い仕事も、良いキャリアも、周りの人との人間関係を良好に築くことが土台となることは、おそらく多くの方が頷かれるのでは。
「仕事・キャリア」のカテゴリーでは、良い人間関係の構築の仕方についてもヒントとなることを書いていきたいと思います。
常にオープンなコミュニケーションが大事?
さて、突然ですがこの記事を読んでくださっているみなさま、
良い人間関係を築く上でできるだけ「本音」を出すように心がけることが大事だと思いますか?
ちまたにはわりと「オープンなコミュニケーションをしましょう!」「自己開示が大事です。」という話が溢れているように思います。実際、私もパートナーシップをつくる上で、自己開示していくことが大事だと前回の記事で書きました。
もちろん、ある局面では信頼する誰かに向かって思い切って自己開示をするべきタイミングもあるのかもしれませんが
『Think Clearly』(サンマーク出版、2019) の著者であるロルフ・ドベリは同著の中で
いつでも誰にでも「本音はさらけ出さない方が良い」と言います。
「あけっぴろげのリサ」
ドベリは本の中で「あけっぴろげな性格のリサ」の例をだしています。(以下は本の該当箇所の要約)
ランチの約束に平然と遅れてきた上に「実は全然ランチに出かける気分じゃなかったの。しかも、こんなひと昔前に流行ったようなレストランじゃなおさらね。」と言いのけるリサ。
さらには「あなたの腕時計、全然洋服に合っていない」とダメ出しをする。
きわめつけに、あなたが飲もうとして頼んだグラスワインを勝手に手にとり「ごめんなさいね、私とっても喉が乾いていたの。」と言って平然としている・・・。
まあ、この例はかなり極端な例としても、自分の本音をまったく隠さないとこのような感じになっちゃうのかもしれません。
ドベリが同著で述べているように、本音を出しすぎるのは考えものであるようですね。
本音を出しすぎない方が良い理由!
『Think Clearly』には、本音を出しすぎない方が良い理由がこんな風に書かれています。
一、まず、私たち自身が自分のことを本当にわかっているとはいえない。そんな私たちが自分の本音を語ることにどんな意味があるのか?
二、本音をあけすけに語っても、自分をこっけいに見せてしまうだけだ。
自分の心のうちを語っても尊敬は得られない。口にした約束を果たすからこそ信頼したり、尊敬してもらえる。
三、細胞のつくりを考えてみる、それと同じこと。どの細胞も、細胞膜に包まれていて、有害な物質の侵入を防ぎ、バリアを通過させる分子を正確に選別する。人間も同じで、バリアが必要である。バリアをまったく持たずに本音をむき出しにするのは「自分を都合のいいように利用してください」というふうに見せていることと変わらない。
こんな風に書かれています。どの理由も、自分の日常生活に照らし合わせて考えてみても、頷けました。
じゃあ、どうしたら良い?
どうやら、本音はすべてあけっぴろげにしない方が良いらしい…ということをお話してきましたが
では具体的には私たちは職場や交友関係の中で、どのようなことを意識していたら良いのでしょうか。
ドベリの言葉をお借りすると「自分自身の外交官」を務める、ということが大事だということです。以下、私の経験をもとにお話してみますね。
まず、私自身は交友関係の中では、けっこう「素直で、オープンなほう」だと見ていただくことが多いです。
でも実は、そこまで本音をあけっぴろげにはしていません(ズバリ)
私はどちらかといえば物事のひとつひとつに関して「自分の考え」や「自分の立場」を持っているタイプなのかなと思います。それは、政治経済の話から、最近だと新型コロナウイルスに関すること、好きなアートや芸能人に関して等・・・ひとつひとつに自分の考えはかなりあるほうだと思います。
また、誰かに言葉や行動に、自分の感情が揺れて心の中で考えが駆け巡ったりすることももちろんあります。でも、その考えや価値観を常にオープンに話したり、プライベートのSNSにそのまま書き綴ることは殆どありません。
それは自分を偽っているのか?無理して心のうちに留めているのか?と聞かれると、そういうわけでもないかな〜と思います。
心の中に「外交官」がいるイメージ
まさにドベリの言う「外交官」が自分の中にいるように思います。私の中の「外交官」は、常に冷静で感情的になることはなく、約束は守り、困難な状況であってもどこかチャーミングな機転を効かせて乗り越えていく。そんなイメージを持っています。(そう見えているかはわかりませんがw)
家族や親密な友人には自分の感情的な部分や本音をもちろん見せていますが、特に職場や人からのご紹介で会う方との初対面の場面ではこの「外交官」にまずは登場してもらうようにしています。また、公共の場でもあるSNSでも基本的には「外交官」の自分が発信しています。
「外交官」の自分は冷静に「自分がどのように見られるか?」を考えていますし
情報や自分の気持ちや感情をオープンにしすぎることはありません。そうすることで、うまく乗り越えられてきた局面が振り返ればたくさんあったと思います。
外交官は偽りの自分ではなく、自分の一部。
この 「外交官」は「偽りの自分」なのでしょうか?私はそうは思いません。
「あけっぴろげのリサ」ほどではないにしても、やはり自分の本音を言いすぎてしまうことは周りの方の気持ちを害してしまうことにも繋がると思っています。なんでも本音で正直に、ストレートに、ではなく少しこの「対外的な自分」を意識することで周りの人との関係性がうまくいくことは多いように思います。
「外交官」の自分は、もちろん自分がどのように見られているか?も意識していますが、同時に周りの方への礼儀を重んじてもいます。そうした周りの方への配慮も、自分の一部だと思うので「外交官」も自分に他ならないのかなと。
現代の「外交官」はオンラインもオフラインも!
さらには、現代では自分の言葉を発信する上で、オンラインのツールも欠かせなくなりました。普段の会話だけではなく、SNSも含めて「外交官」には活躍してもらう必要があります。オンラインではつい本音を書きなぐってしまってあとで大後悔する・・・・ことのないように、書いたことを冷静にあとで振り返ってみて、場合によっては修正したり、今後の発信に気をつけたりすることも必要かもしれませんね。
オンラインもオフラインもか、ちょっとかたくるしい気持ちがしてきたぞ・・・・と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが
ここは一つ。ゲームか何かのように、「外交官」を育ててみてください❤️
常に仏頂面の外交官でなくて大丈夫です。お洒落でチャーミングな外交官でもOK❤️なので、日々の会話や発信で
ほんの少しだけでも意識してみていただけると良いのではと思います。もしも、周りと衝突ばかりしてしんどい思いをしている・・・という方がいらっしゃったら、少しずつその衝突が少なくなって、冷静に自分の考えを発信できるようになってくることに気づかれるのではないでしょうか。
今日は本からインスピレーションを受け、自分の経験ももとに考えを書いてみました。
あなたの「外交官」はどんな立ち振る舞いをして、どんなふうに難局を乗り切っていくでしょうか?
理想の「外交官」の姿を思い浮かべてみてくださいね!(楽しく、ワクワクする想像でOKです!)
実は中学生の時、外交官(ほんもののねw)になることが夢だった編集長haru