生命のダンスで恋するムンク。編集長haruの《アーティスト・デート》第一会
2018/12/21

エドヴァルド・ムンク「生命のダンス」(1899-1900年、オスロ国立美術館所蔵)
【公式】ムンク展ー共鳴する魂の叫びより画像引用
みなさま、こんにちは。
nararaくんにもアートの記事を書いてもらっていますが、私編集長haruも大のアート好きということでこの連載では私がこれまで出逢ってきたアートについても書いていきたいと思っています。
《アーティスト・デート》と言っても本当のデートではなく、一人でいくことが多いです(笑)美術が大好きな自分にとって、アートに触れる時間は自分の大きな癒しの時間にもなっていてそんな濃密なアートやアーティストとのランデブーのことを私は《アーティスト・デート》※と呼んでいます。
※元々は、ジュリア・キャメロンさんの名著、「ずっとやりたかったことを、やりなさい。」で「創造性の回復のための自分の内なるアーティストと対話する自分時間」としてこの言葉は紹介されていて、そこで知った言葉でした。🎨 私は内なるアーティストとの対話というよりも、「アートやアーティストとの逢瀬」という意味でこの言葉を使わせてもらっています。
今回の《アーティスト・デート》は東京都美術館で観てきた「ムンク展」について。
(初回からムンクとはとてもパンチが効いている。濃いぞ、ポラリス ア・ラ・モード。)
エドヴァルドの待つ美術館へ
12月中旬。私は、上野駅を高鳴る胸で歩いていました。
久しぶりに逢えるエドヴァルド・ムンクの待つ美術館へ。
ムンクといえば、みなさま思い浮かぶのはあの有名な作品、「叫び」だと思います。言わずもがな、彼の代表作です。
でも…。
実は私は叫びを見ても全然心が動かされる感じがしないのです…🌙(好みの問題でもあるけど)
私がムンクで大好きなのは、彼の「生命のダンス」という作品なんです。
「生命のダンス」との出逢い
2008年。ちょうど10年前の春に私は兵庫県立美術館でこの作品に初めて出逢いました。
その時の衝撃は、今でも昨日のように思い出すことができます。なんと初めて目にしたその後30分以上その作品の前から離れられなくなりました。
「生命のダンス」は1899年から1900年までの間に制作され、現在はオスロ国立美術館に所蔵されている作品です。
月明かりの夏の日。海辺で複数の男女が踊っています。
ひときわ目を引くのは真ん中の赤いドレスを着た女性。髪は肩まで垂れ下がっていて、二人で一心不乱に踊る。
向こうには、海。そして有名な月と海に映る月光のモチーフ。
10年前は分からなかったけれど、この作品は女性の一生を現しているんだと感じられます。
左のまばゆい白いドレスを着た女性は、純潔/純粋無垢や、誕生を意味する。
右の黒いドレスを着た女性は、不安や、命の終わり、死を意味する。
その真ん中で一心不乱に踊る女性はまさに命を輝かせている、溌剌とした生命を意味する。
恋するムンク
たぶん。ムンクは命を燃やすくらいの熱い熱い恋をしたんだと思います。真ん中の赤い女性は彼が心から恋い焦がれた女性なんじゃないかと思います。恋するムンク。ちょっと、ムンクに対する見方が変わりませんか?
この作品のタイトルが「生命のダンス」であることから
始まりもあって、終わりもみなに平等にあるこの人生の中で
どこまで一心不乱に踊り続けることができるのか、生命を輝かせることができるのか
そういうことを強く、強く問いかけられているような気がするのです。
終わりがあるからどこまでも輝く命。あなたはどんなふうに人生を踊る?
アーティスト・デートでは、いろんな画家やアーティストたちとのランデブーの記録を書いていきますね。