ポラリス・ア・ラモード

インタビュー

オリーブオイル鑑定士見習い / sanaさん「健全であること」《後編》

haru

2018/12/21

お友達のお子さんがハグ!しに来てくれた瞬間。

インタビュー polaris for YOURSELF vol.2

オリーブオイル鑑定士見習い/ライターsanaさん

「健全であること」

《後編》

 

自分の生きる上での指針やポリシー、「ポラリス(=北極星)」を持つ人たちのインタビュー。

前回 (オリーブオイル鑑定士見習い sanaさん「健全であること」《前編》)は、sanaさんのポラリスについてたっぷりとお話しいただきました。

今回は、そんなsanaさんがどのようなきっかけでご自身のポラリス《健全であること》に出逢えたのかをお話しいただきます。

ポラリスに気づいていったきっかけ

haru: ポラリスである《健康》や《健全》を意識しはじめたのはどういうきっかけからでしたか。

sana: 健康を考える上で、逆に不健康だったことを経験したというのが大きいです。出来事としてはふたつの出来事がありました。ひとつは、自分にとってとても近しい存在のひとが心を病んでしまったという経験があります。この経験を通して、「なぜひとは心を病むのか」ということや、「心を病むということはどういうことなのか」とか、「自分には何ができるのか」ということについてすごく悩んで考えました。周囲にいる人間として何ができるのか、というテーマ。これが10代からずっと解けなくて、このテーマを持ち続けながら生きてきました。そして、いつか自分なりの答えを出したいなというのがあった。そのことを経て心理学を勉強したいなと思うようになりました。

もう一つは5年前、自分自身が子宮頸がんを患ったこと。子宮頸がんというのは、どうもごくふつうのウイルスらしいんですね。それが5年10年経って癌化するんだけど、たいていは免疫機能で排除されます。私もすぐ癌になったのではありませんでした。何年間かは免疫力で元の状態にも戻っていくんですよね。その期間に、お医者さまや周囲からは、免疫力を上げることを頑張ってねと言われました。でも、「免疫力をあげるって具体的にはどういうことなんだろう」って思い始めて、免疫機能をあげるってことについてひとつひとつ考えていきました。体温をあげるとか食べ物から飲み物から生活からすべてを見直していったんです。

そうして、見直していったものの…最終的には癌を患ってしまいました。癌を患ったひとの特徴としてとても罪悪感を持つというのがあるらしいです。癌になってしまったという罪悪感を持つんです。自分を責めてしまうんですね。私自身も、そういう気持ちになってしまう時ももちろんあったけれど、最終的には自分が光を当てていなかった暗闇のなかにあった部分に光を当てざるを得なかった機会、チャンスだと思いました。すごくつらかったけど、それがなければ健康ってなんだろうということを、こんなに深く考えなかったと思います。

haru: 「健康、それ自体」を知ろうと思っても、表面的なものになるかもしれないですね。それと反対の経験、きっと見たくはなかったけれど、そういう経験をすることがとても大事だったんですね。

sana: その時はつらかったかもしれないけれど、それがリソース(源)になったのかもしれません。

haru: 私も思いますけれど、つらかったこと、かったことってその中にこそ大事なことがすごーく含まれてて、あとから思ったら本当に大事な経験だったんだなっていうこともありますよね。そのときは本当にショックだけど。

sana: そうそう。そのときはショックで、うわってなりますけどね。誰にも言いたくもない、隠していたい、閉じ込めて自分の中だけで完結していたいことだけど、それをいつか手放すときがくるし、向き合うときがプロセスとしてあるのかしれないと思います。

haru: 光の当たっていなかったところに、向き合う。それを昇華する。

sana: 手放したときに、すごく大きなギフトがくる。

haru:   いい話…!泣けてきた(涙)

sanaさんが今後やりたいこと

haru: これから、sanaさんがやっていきたいことはどんなことですか。

sana: これまで十分、学んだり経験してきたことを一つ一つ統合して、形にしていくこと、具現化していくことをやっていきたいと思っています。現在、ボランティアグループ(CARE)に所属しているのですが、CAREでも模索しながら活動しています。

haru:  CAREはどんな団体で、sanaさんはどんなことをしているのですか。

sana:  CAREは、非営利のボランティアグループで、働くママたちや子どもたち、メンタルイルネスや障害を持つ人たち、外国にルーツを持つ方々をサポートしてくグループです。

2018年は、4月に「障がいと多様性」をテーマに講演をしていただいたり、10月にはharuちゃんにもきてもらいましたが、JR福知山線の脱線事故で2両目に乗っていて、瀕死の状態から見事に生還した私の大切な友人、千通子さんにも講演をしてもらいました。

haru: 千通子さんとは、もともとお仕事仲間だったんですよね。

sana: はい。彼女は私の元同僚で、同じ部署で働いていた方です。事故から生還されたあとも…長年PTSDに苦しまれましたが、今では結婚もされ、お子さんも生まれ(この記事の写真のお子さんです!)ピラティスをメインに、心と身体を統合していくボディーワーカー、メンタルワーカーをされています。彼女には、メンタルの問題で長年悩んできたことや、それをどうやって乗り越えてきたのかを講演でお話ししてもらっています。

ひとが病んでしまうとはどういうことなのかということを考え、そこから回復する過程に光をあてたいと思っています。それは、どんなひとにとっても、人生においての重要な鍵になると思うんです。彼女と活動していてとても面白いのが、彼女だけではもしかしたら深く掴みきれなかったところを私が「編集者」みたいにして立ち会うことで、いろんなものが引き出されていくことです。立ち会う人が必要だと思うし、その立会いがすごく楽しいです。講演もお声がけがあればどこでもいきたいねって話しています。

haru: 一緒にやるからこそ、コラボレーションで引き出せるものがあったのですね。それ以外は、どんな活動をされていますか。

sana: 今日も持ってきましたが、オリーブオイルですね。オリーブオイル鑑定士の勉強としてイタリアに2週間行った時に意気投合して仲間になったひろみさんと一緒に取り組んでいます。実は彼女が今回、未開の土地のような素朴で小さなオリーブ農園を掘り当てたんです!その農園は、全く国外に輸出をしたことがない。日本はおろか、世界に出たことがない。カンパーニャ州の山奥の、狼が遠吠えするような場所。その農園とメインで取引して、日本で少しずつオリーブオイルを販売していきたいと思っています。私は厳密には副業はできないので、彼女の活動のサポートをする形ですね。本物の油の良さを伝えていきたいです。あとはオリーブオイルは野菜とすごく相性がいいので、野菜とコラボしていくことをこれからワークショップなどでやっていきたいです。

haru: あと、さっき少しおっしゃっていたホロスコープで自分を知るワークショップかな?盛りだくさん(笑)

sana: はい。私が師事した占星術の先生が、学んだことを使ってどんどんワークショップをやりなさいって言われているので、しっかりやっていきたいと思います。

haru: 気になりますね。それは是非違う記事でじっくり話したい(笑)sanaさんの今後がとても楽しみです!

sana: (微笑んで)ありがとう。今後は、私は自分の気持ちや学んだことを文字にすること、形にすることにこだわってやっていきたいと思っています。一人でずっと深く深くやっていってもなかなか広がりがないので、文章にしたりこういう場を作っていただけてとても嬉しいです。ホロスコープを小説や物語風にしたりすることにもチャレンジしたいですね。

haru: 応援しています!ポラリス ア・ラ・モードへの記事も楽しみにしています。お互いに、健全にむかって進んでいきましょう。ありがとうございました。

インタビュー後記

この前編と後編の記事、実際は一緒に行ったお芝居の前、たった25分間くらいで話してもらったことでした。濃い、本当に濃密な時間でした。インタビューははじめて受けられたということで、最初は少し緊張されていたsanaさんでしたが、終わりの方では私たちらしくマシンガントークが炸裂しました!(笑)

健全であることの大事さをとても意識できたのは、その反対を知った経験があったから。本当に辛いご経験もされた中から健全であることの大切さに気づかれていったsanaさん。sanaさんはいつも笑顔で、本当に誰に対してもお優しくて大好きな友人です。

これからも、sanaさんの活動をそばで応援しています!

編集長 haru